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書籍詳細

いちばんやさしい ファイナンスの本 (実務入門)

前書きに書きましたが、本書では、「いかに楽して、手抜きして必要最低限のことだけを習得するかを主眼に置きました」。タイトルの通り、とにかくやさしいファイナンスの本です。


著者コメント:
「決算書が読めない、会計とかにアレルギーのある、でも、今の時代ファイナンスのことは少しだけは理解しておいた方がいいよな」、なんて思う方に最適の書です。ファイナンスを理解するには、決算書や会計を理解して、数字にも強くないといけない、というのは誤解です。ビジネスパーソンにとっては、実務上必要最低限の知識と考え方のみマスターすれば大丈夫です。


本のレベル感で行くと、前作「企業ファイナンス入門講座」よりも圧倒的に初級です。


内容:
序章は「決算書は読めなくても大丈夫」。


そうなんです、読めなくてもいいんです。世の中にあるファイナンスや会計の本のほとんどは決算書を読むことが前提になっています。でも、あんなつまらないもの、読みたくありませんよね。決算書に関して、ちょー最低限に知っておくことだけを説明しました。特に今回の対象読者は財務部に勤務しているビジネスパーソンではなく、事業部や営業など、ファイナンスと縁遠い人たちが対象です。


第1章は「ファイナンスの全体像」。


ファイナンス、会計、経理、財務、金融などなど、ファイナンスと呼ばれる分野には様々な「わかったような言葉」が存在しますが、どれもいまいちピンと来ないと思います。そこで、まずはファイナンスの全体像を把握しようということです。


端的には、私たちが個人として接する住宅ローンや保険などのパーソナルファイナンスと企業が接するコーポレートファイナンスでは、世界観が全然違うんですよね。ファイナンスがややこしく感じるのは、企業ファイナンスの世界を自分たちが普段接するパーソナルファイナンスの概念で理解しようとして混乱するからです。この点をまず整理しました。


第2章は「ファイナンスの基本」です。


中身は収益分析の基本です。事業に携わる人たちにとってもこれだけは抑えましょという、必要最低限の項目を挙げました。事業部での実務とファイナンスがどうつながっているのかの説明をしています。そして、新規事業を考える際は、どういう基準を用いるべき?という話もここでしています。


第3章は「ファイナンスの実践」。


会社には事業部ごとに目標収益がありますが、その目標収益ってどうやって決められるのさ?というのを企業全体のファイナンス戦略と結びつけて見ていきます。どんな事業でもお金が必要なのですが、そのお金の調達ってどういう形で行われているかが見えると、事業と会社全体のつながりが見えてくると思います。


第4章は「ファイナンスの応用」。


M&Aが起こる背景と、キャッシュフロー経営の考え方について説明しています。キャッシュフローを理解するに当たっては、山崎豊子さんの「華麗なる一族」をたとえ話として使っています。キャッシュフローの概念でつまづく人が多いのですが、ドラマなり小説での場面を思い返すとスッと理解できます。キャッシュフローの理解には、まずは「華麗なる一族」をご覧いただくかお読みいただくのがいいですかね。


第5章は「ファイナンスの実務」。


M&A戦略の実践のパートですが、よくある解説書に含まれる理論的説明はばっさりと省いて、企業で実務を担当する人にとっての本当に必要最低限の知識だけ入れ込みました。


コーポレートファイナンスを学ぶ上では、理論的な株式価値や企業価値の算出ということをやります。DCFがどうだとか、現在価値がどうだとか。ただ、企業の中で実務を担当する人にとっては、「M&A時の価格はいくらよ?」というのが重要であり、理論的な話は極論どうでもいい(どうでもよくはないですが、感覚として、まずは答えを知りたいと思う)とお感じになることも多いかと思い、端的にM&Aの価格をざくっと出すことだけを説明しました。理論的な企業価値の算出方法についてはほとんど触れていません。でも、企業の現場で働く方にとってはそれで十分かと思います。


最後に付録として、今後ファイナンス、特にコーポレートファイナンスを学びたいと思われる方にとっての「推薦図書一覧」をつけておきました。本書があまりにやさしいので、それ以外やそれ以上の学習に関しては他の本に依拠しましょう、ということです。レベル、分野、特徴ごとに整理しておきました。自分の本も含めていますが、合計22冊あります。ここに含まれていない本も世の中にたくさんあるでしょうが、ひとつ参考にしていただければと思います。この推薦図書リストを作るだけでも、結構な労力と時間かかりました。


このブログでも以前書きましたし、本の中でも書きましたが、私は大学時代に簿記の授業を落としたぐらい、会計は苦手で、今でも得意ではありませんし、好きでもありません。他にも大学時代は、とにかく金融分野は避けて通ったので、決算書も見たこともなければ、読めないままに外資系証券会社に入りました。完全な会計アレルギー、ファイナンスアレルギーだったわけです。そんな人間がファイナンスの本を書くなんてチャンチャラおかしいわけです。


でも、アレルギーを持っていた人間だからこそ、分からないことが分かる、という思いで今回の本を執筆しました。かつて、何冊も会計士の先生たちの書いたわかりにくい決算書の本に泣かされてきました。で、ある日ふと気付きました。「これらの本が分かりにくいのは、わざとだ。わざと会計や決算書を分かりにくいものとすることで、会計士の仕事が減らないようにしているんだ」と思いました。


そしてもう一つ思いました。なぜビジネスの現場で必要なものだけに絞ってくれないのだろう、と。大学の授業ではなく、ビジネスパーソンが読む本の場合は、大胆に枝葉を切り捨てた方がいいよな、と。


会計や決算書はつまらないものです(好きな人たちは、ごめんなさい)。そういうものとの格闘は高給をもらっている会計士の先生たちにお任せするとして、我々ビジネスパーソンは、ビジネスを遂行する上でどうしても必要な最低限の知識だけを習得しましょう、そういうスタンスの本です。ので、中身は細部の説明を省いてあるため、多少乱暴なつくりになっていますし、詳しい人たちからは「そんな説明だと誤解も招く」と言われる部分もあるかもしれません。でも、やさしく感覚的に理解するためには、その方がいいこともあります。よかったら手に取ってご覧くださいね。