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2011/11/29 火

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話

4797366478大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書)
沢田 健太
ソフトバンククリエイティブ 2011-10-17

by G-Tools

以前、自分の本を出版する際にお世話になった編集者さんから献本で頂いた本。就活を始める学生と大学関係者は読むべき本だな、と思い、早速本学のキャリア教育に関わる教員の先生に差し上げようっと。

著者さんがもともと民間企業で働いていた方で、その後大学のキャリアセンターに移られているので、視点がまっとうなのが第一の理由ですが、もう1つ重要な理由は、民間の人にありがちな「大宅の勉強って意味ない」みたいな発言やスタンスがなく、大学の教育とキャリア形成を1つのラインとしてとらえていて、大学の意義や存在価値をより高める上でのキャリアセンターという視点を持っていることがすばらしいと思います。

これは別に今私自身が大学に属しているから言う訳ではありませんが、やはり学生にしてみると、大学の教育に価値はないという一部の民間企業の方々のありがたいご意見は、非常に戸惑うんですよね。じゃ、いったい自分たちは何をすればいいのだろうって。でも、この本の中でも書いてありますが、学生が企業と接する中で見つけたことに大人がヒントを与えると、学生は「おー!この科目はこうやって取り組むと社会と接点があるんだ、役立つんだ」という視点を育てることも可能です。

実際、著者はそういうアプローチでキャリアセンターで学生と関わっているようですが、ただ、この著者がリアルにFace to Faceで関わることのできる学生数は限られており、著者の熱い想いをより多くの人に届けたいということで本書は書かれたんだと思います。それが伝わってきます。

一方で、キャリア支援について、大学に対しての変革、目覚めを促したいという想いも伝わってきます。と同時に、それが全く実現からはほど遠いと感じていらっしゃる苛立と少しの諦め感も垣間見えます。

一般的にキャリア教育やキャリア支援は、いくらそれを一生懸命やっても教員の業績や評価にはなかなか結びつきにくいと思います。むしろ、研究もせずにあんなことに一生懸命になっちゃって、なんて目で見られることも多いと思います。おそらく企業社会が想像する以上に、キャリア教育や支援に対して大学は素人で、かつ、できれば関わりたくないものなんだと思います。そのギャップを埋めようというのが本書のもう1つの意図でしょう。

私はまだ大学という組織に1年半ほどしかいませんが、幸いにも大学としてキャリア教育やキャリア支援に非常に積極的な大学なので、あまり虚無感を感じることはありませんが、それでも著者の言わんとすることは理解できます。本来はキャリア支援センターと教員がもっと連携をとるべきだよなあ、ってのは日頃思ってきたことだったりで。

就活本や就活セミナーは怪しいものも結構ありますし、就職難の話は、年配の人たちが若者が苦労するのを内心一種のゴシップみたいに楽しんでいる面もあるやに思いますが(ゆえに、就活関連の本やコラムは過激なタイトルが多いですよね・・・。他人の不幸は蜜の味ってどこかで書かれていたりしますしね)、本書は愛情が伝わってくる良書です。

願わくは、著者がこのままのスタンスで素敵でいらっしゃることです。つい過激な対談やタイトルのコラムを依頼されることが多くなるでしょうから・・・。

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