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2011/01/03 月

デフレの正体

経済は「人口の波」で動く、という副題のとおり、日本の経済成長や景気を語る上では人口構成の変化は見逃せない、という本です。

4047102334デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-06-10

by G-Tools

確か、週刊ダイヤモンドで2010年の経済書ナンバーワンになっていたので、出張時の空き時間に書店でさくっと購入したものでした。

もともと新書ですので、たいした値段はしませんが、目次をじっと見て、あとがきを読むと、本書の言いたいことは大まかに分かります。ので、2010年の経済書ナンバーワンの内容を5分でを知ってしまいたいという人は、そういう活用法もあるかもしれません。ちなみに、あとがきの冒頭だけ抜粋すると、

「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」。この本の要旨を一言でいえばそういうことになりましょう。

です。

いわゆる通説を客観的なデータを用いて打破して行ってくれます。地域格差論の無意味、失われた10年のウソ、経済成長こそ解決策という主張が対策したフリを招く、など、と思わず「え?」を聞き返してくなる内容がたくさん盛り込まれています。

ほとんど全て人口構成、特に労働人口数の変化で説明がつく、あるいは、それが影響しているという流れになりますが、逆に労働人口数を見ずして、経済成長やらを議論しても意味がなく、多くのマクロ経済学者や経済評論家はその点を認識していないという批判に軸足を置いています。

(講演の書き下ろしが土台となっている本で、口調がそのままになっています。講演でインパクトを持たせるためには、通説を言う経済学者や経済評論家を小バカにする必要もあるのでしょうが、他の人を小バカにした口調がそのまま活字になるというのは、やや違和感を感じざるを得ないというか、読後感が無駄に低減してしまうので、その点だけはこの本のやや残念なところでした)

なるほどね~、と思うと同時に、本当に経済学者は人口構成の変化という明らかに当たり前のことを認識せずに議論をしているのだろうか、という疑問も湧いてきます。ただ、本書で指摘しているように、人口減少を前提として経済成長が議論されたことはこれまでほとんどないので、既存の経済理論の当たり前の知識で今の、そして今後の日本の経済成長や景気を語ろうと思った場合は、労働人口が減少するという現実を今一度認識する必要はあるのでしょうね。

日本の人口減少という問題は避けられないので、では、そういう状況においてどういう打開策、解決策があるのさ、という点に興味は移りますが、それにも本では触れています。高齢富裕層から若者への所得移転、女性労働力の活用、観光収入の向上の3点が具体策として挙げられています。

なるほど~、な一方で、それだけ?、という印象もやや拭えないところではあります。ただ、本書の真髄は通説を覆す視点をくれた点であり、あとは、この労働人口の減少という現実を前提として、企業レベルや政策レベルで一生懸命解決策を絞りましょうね、ということになるのだと思います。

観光収入の増加に国が取り組むならば、北海道の先行きは明るい、とも言えますね、きっと。

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