Dairy
« 労働分配率 | メイン | 経済で重要なのはインセンティブだとのことで »
2008/12/09 火
34歳男子の死亡確率は0.092%
ライフネット生命の出口社長が最近出版された本ということで、同社の広報担当の方から献本いただきました。
生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと
最近、いくつかのところから今後の景気見通しと生活に対してのアドバイス、みたいなテーマでコメントを求められたりしましたが、その際には保険を見直すべきと毎回言っています。ずっと前ですが、投資銀行勤務時代に生命保険業界を研究したことがあり、それ以降死亡保険は掛け捨てで、と何かあるごとに言ってきましたが、それに加えて共著書の『金トレ!』で共著者の目黒陽子さんが指摘しているように、民間の医療保険はなくてもいい(公的医療保険が手厚い)、とのことで、私はとにかく保険に関しては削減派。
まあ、どの程度の保険に入るかは個々人の価値観によるところも大きいので、絶対唯一の答えはないですが、でも、コストパフォーマンスがいいに越したことはないですよね。
さて、出口さんの本。「ほお、生保のコスト構造はこうなっているのか」、「こうやって儲けているのか」といろんな発見があります。個人的にいちばん興味深かったのは、各年齢別の死亡率のデータ。34歳の私が死亡する確率は0.092%。こんなに低いのなら生保に入る必要がそもそもないじゃないか、なんて思ってしまいますが、あくまで34歳単年での確率なので、死亡保険に入って死亡して保険が降りる確率はざっと5%ぐらいと言いますよね。
ただ、若干書評しにくい本でもあります。というのは、書いてある内容は非常に有益で面白いのですが、想定読者が見えにくいかも、と思ったからです。というのは、生保のカラクリについては詳しくなるので、当然ながら自分が入るべき商品も見えてきます。が、「今自分が入るべき保険商品を5分で知りたい!」という欲求に答えるものではないので、今すぐの解決策を求める人にとっては不向きとなってしまうからです。まあ、そういう人はこういう本ではなくて、雑誌やネットで情報を探しますかね。
第一章から生保の市場規模、不払い問題、なぜ相互会社ではダメか、というお話から始まりますが、わざわざ第一章にそういう内容を持って来ているのは、それこそが出口さんの最も指摘したかったところでもあるわけで(と勝手に想像しますが)、生保業界の問題を正すべくライフネット生命を立ち上げたという、彼の背景、問題意識から本は始まります。
著者が生保企業を経営する社長ということで、あからさまな自社にとっての利益誘導的な記述はできないですし、他方で、経営者としては市中の雑誌がやるような「これが入ってはいけない保険ワースト10だ!」みたいな下品なことも当然できないわけで(でも、そういう情報こそ欲しいという人も少なくないのもまた事実)、そういう意味では有益かつ上品な本でありながら、もっと直球でビュンビュンやってもよかったのかなとも思ったり。
夏にライフネットの岩瀬副社長のところに遊びに行った際に、出口さんとすれ違い、その時は剛速球で開口一番に「保険入ってくれました?!」と満面の笑顔で迫ってこられました。不思議なことに剛速球ゆえかお人柄ゆえか、保険のセールス(いや、むしろ挨拶なのかも)をされたのに嫌な感じを全く受けないんですよね。そんな出口さんならではの本、であることは間違いないです。
私がその後ライフネットの保険に加入したことは言うまでもなく(笑)。
コメントを投稿する
トラックバック
このページのトラックバックURL:
このページへのトラックバック一覧:













