2011/12/25 日
| バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション [DVD] | |
![]() | ポニーキャニオン 2007-08-17 売り上げランキング : 18278 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
先週品川プリンスホテルに泊まったときに、酔っぱらいが次々と0時近くにチェックインをしに来ていたので、なんだかバブル再現と思って、このDVDを見てみることに。
と言っても、品川プリンスホテル、かつては高級ホテルだったのかもしれませんが、今や品川駅前の安ホテルw。バブル世代以上にとっては、飲んだ後に電車がなくなって品プリに泊まっちゃったなんてのはイケてることになったんでしょうけど、今ではカプセルホテルに泊まるのとあまり変わらないか・・・w
で、DVDの方はオモシロイです。日本長期信用銀行の元行員がサラ金の取り立てになりさがっているという当りは、元長銀の行員が見たら発狂すると思いますが・・・
日本の借金は800兆円とか、バブル崩壊のキッカケは不動産融資規制だとか、ちょっとした経済小ネタも学べたり。と言っても、これは2007年の映画なので日本の借金は800兆円でしたが、2011年の今や1,000兆円。もうホントに破産しちゃいますよね。。。
バブルじゃなくていいから、日本経済、なんとか復活して欲しいですよね。政治家さんたちにいろんな勇気ある決断をしていただきたいですが、いろんな課題が2012年以降に先送りのご様子です。
2011/12/21 水
この世で一番おもしろいミクロ経済学――誰もが「合理的な人間」になれるかもしれない16講
ヨラム・バウマン グレディ・クライン 山形 浩生 
ダイヤモンド社さんから献本でいただいた本。マンガでミクロ経済学が分かります。「もしドラ」は物語(ストーリー)で経営戦略を学ぶという内容でしたが、ビジネスや経済、金融をマンガ、アニメ、ストーリーで学びたいというニーズは広く存在すると思います。そんな中、本書はマンガでミクロ経済学を学ぶという内容です。
ミクロ経済学を一度なりとも学んだことがある人にとっては、ミクロ経済学がいかに学びにくいか、とっつきにくいかに関しては今更説明する必要もないと思いますw。多くの人が結局諦めてしまう、あるいは、教員の教え方が悪いと片付けるわけですが、心のどこかでミクロ経済学を諦めてしまったことに対しての罪悪感みたいなものを抱え続けます。
そんな罪悪感からみんなを開放してくれるのがこの本ということになります。この本を読むと、ミクロ経済学という学問は、わざと理解しにくいように作られているんじゃないかという感覚にすらなってしまうという・・・w
あくまでも漫画でミクロ経済学を学ぶものなのであって、ミクロ経済学を学ぶとビジネスにどう生きるとか、ミクロ経済学が実際の世の中にどう生かされているとかまでを欲張るには、ほかの本なりをさがす必要が出てきますが、なんとなく分かった感をつかませてくれるだけで十分秀逸だと思います。
訳者あとがきで出てきますが、マンガで学ぶ経済(世の中がどう動いているかを経済的観点で教えてくれる)という意味ではこういう本もあります。
![]() | 新装版 レモンをお金にかえる法 ルイズ・アームストロング ビル・バッソ 河出書房新社 2005-05-21 by G-Tools |
個人的には「レモンをお金にかえる法」に勝る本はないと思いますが、レモンの方はページ数も30ページほどしかなく、ほどよく消化不良に陥るので、「この世で一番おもしろいミクロ経済学」をあわせて読むといいかもしれませんね。
ちなみに、「 レモンをお金にかえる法」も「この世で一番おもしろいミクロ経済学」も、両方とも来期の学部、MBAの授業で何らかの形で使おうと思っています。
2011/11/29 火
![]() | なぜ、国際教養大学で人材は育つのか (祥伝社黄金文庫) 中嶋 嶺雄 祥伝社 2010-12-09 by G-Tools |
自分の息子が大学生になるときは海外の大学を受験させたいとか密かに思ったりしていますが、日本ならこの大学を受験することをススめるだろうなと思っていた大学の成功秘話を学長自らが書いています。
単なる英語学習大学ではなく、それこそちきりんさんの「自分のアタマで考えよう」ではないですが、大学での4年間を通じて、アタマだけで学ぶのではなく、様々な経験を通して学ぶ、そして成長することを目的としていることがよく伝わってきます。私自身、大学生の時に人口8,000人、学生数600人程度のリベラルアーツの大学に1年間留学したことがあるので、この国際教養大学のキャンパスのイメージは何となく湧きます。私の場合は、その町で日本人は私一人だけで、唯一英語にハンディがある人間となってしまい、それはそれは苦労しました・・・。でも、その時の経験で、その後はなんとでもなるか、という開き直りができたので、国際教養大学では1年間の留学がマストになっているとのことで、この意義は大きいなと思います。
1年間の留学をマストにするのは、早稲田の国際教養学部でも導入していますので、国際教養大学でなくとも同じような経験はできますが、このような制度を他の大学でもどんどん取り入れるべきだなと思います。
かたや、明日学長選を迎える本学。改革進めないと・・・ですよね。。こういう大学で働きたいなあ・・・と妄想しつつ本書を読み終わりました。。
2011/11/29 火
![]() | 大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書) 沢田 健太 ソフトバンククリエイティブ 2011-10-17 by G-Tools |
以前、自分の本を出版する際にお世話になった編集者さんから献本で頂いた本。就活を始める学生と大学関係者は読むべき本だな、と思い、早速本学のキャリア教育に関わる教員の先生に差し上げようっと。
著者さんがもともと民間企業で働いていた方で、その後大学のキャリアセンターに移られているので、視点がまっとうなのが第一の理由ですが、もう1つ重要な理由は、民間の人にありがちな「大宅の勉強って意味ない」みたいな発言やスタンスがなく、大学の教育とキャリア形成を1つのラインとしてとらえていて、大学の意義や存在価値をより高める上でのキャリアセンターという視点を持っていることがすばらしいと思います。
これは別に今私自身が大学に属しているから言う訳ではありませんが、やはり学生にしてみると、大学の教育に価値はないという一部の民間企業の方々のありがたいご意見は、非常に戸惑うんですよね。じゃ、いったい自分たちは何をすればいいのだろうって。でも、この本の中でも書いてありますが、学生が企業と接する中で見つけたことに大人がヒントを与えると、学生は「おー!この科目はこうやって取り組むと社会と接点があるんだ、役立つんだ」という視点を育てることも可能です。
実際、著者はそういうアプローチでキャリアセンターで学生と関わっているようですが、ただ、この著者がリアルにFace to Faceで関わることのできる学生数は限られており、著者の熱い想いをより多くの人に届けたいということで本書は書かれたんだと思います。それが伝わってきます。
一方で、キャリア支援について、大学に対しての変革、目覚めを促したいという想いも伝わってきます。と同時に、それが全く実現からはほど遠いと感じていらっしゃる苛立と少しの諦め感も垣間見えます。
一般的にキャリア教育やキャリア支援は、いくらそれを一生懸命やっても教員の業績や評価にはなかなか結びつきにくいと思います。むしろ、研究もせずにあんなことに一生懸命になっちゃって、なんて目で見られることも多いと思います。おそらく企業社会が想像する以上に、キャリア教育や支援に対して大学は素人で、かつ、できれば関わりたくないものなんだと思います。そのギャップを埋めようというのが本書のもう1つの意図でしょう。
私はまだ大学という組織に1年半ほどしかいませんが、幸いにも大学としてキャリア教育やキャリア支援に非常に積極的な大学なので、あまり虚無感を感じることはありませんが、それでも著者の言わんとすることは理解できます。本来はキャリア支援センターと教員がもっと連携をとるべきだよなあ、ってのは日頃思ってきたことだったりで。
就活本や就活セミナーは怪しいものも結構ありますし、就職難の話は、年配の人たちが若者が苦労するのを内心一種のゴシップみたいに楽しんでいる面もあるやに思いますが(ゆえに、就活関連の本やコラムは過激なタイトルが多いですよね・・・。他人の不幸は蜜の味ってどこかで書かれていたりしますしね)、本書は愛情が伝わってくる良書です。
願わくは、著者がこのままのスタンスで素敵でいらっしゃることです。つい過激な対談やタイトルのコラムを依頼されることが多くなるでしょうから・・・。
2011/11/29 火
![]() | 自分のアタマで考えよう ちきりん 良知高行 ダイヤモンド社 2011-10-28 by G-Tools |
ダイヤモンドの編集者さんから献本いただいてあっという間に読み終わりました。
我々が普段「考えている」と自分で思っていることが、実は考えていなくて作業をしているだけだった、あるいは、知っていることを当てはめているだけだった、ということを気づかせてくれる本。
個人的には30を超えてから大学院に行って、アカデミズムの世界にいる先生方の講義を聞き、それらを理解しようともがいていたとき、「あ、考えるってこういうことだったか」という経験をしたので、それに近いかなと思いました。
仕事をしているとついついパターン化しようとしますよね。職場での課題は、大体それまでに経験したこと、あるいは、部内、社内で共有化されている経験の中から、どれかのパターンを当てはめるとある程度は解決できると思います。しかし、それだとブレークスルーや新しい発想は生まれない。でも、仕事に追われて時間がないので、とにかくパターン化しようとする。あげくにパターン化していることも気づかずに仕事を進めてしまいます。
また、仕事では知っていさえすれば対応できることもたくさんあります。例えば請求書の書き方1つとっても、それは書き方さえ知っていれば対応できますし、業界に関する様々な知識も知ってさえすればなんとかなる。これって単なる情報アービトラージの世界であって、他の人も同じように知ってしまえば、自分のオリジナリティやアドバンテージはなくなってしまいます。でも、情報アービトラージの世界で仕事をすると簡単なので、ついそれに走りがち。
それがひとたび大学院などに行くと、考えるわけです。知っていることではパターン化できないし、知らない内容だし、考えないと答えが見えてこない。大学院に行って初めて、「あ、自分の日々の仕事はパターン化の連続だったな」、と反省しました。
この本は、そういうことを大学院に行かずとも気づかせてくれるという本です。もっと興味が湧けば大学院に行くなりという選択肢はいいのではないでしょうか。その場合は、実務出身の教員が教えている授業よりは、アカデミズムの世界にずっといる教員の授業の方がいいでしょう。実務出身者の授業は、ともすれば知識のアービトラージの世界で終わってしまいますが、アカデミズムの世界にいる教員の方は常に本質は何だと考えていますので、社会人にとっては非常に新鮮。
もっとも、本書の想定読者に学部生はど真ん中に入っているので、学部生にとってもオススメできます。特に、就職を控えた4年生は、この本を読んで得る感覚を就職後も持続できれば強いと思います。
本の構成も興味深いです。最初と最後がパンチ力があり、やはり本はこういう構成がいいよな、と思った次第でした。そして、実は著者のちきりんさんのブログは今までほとんど読んだことがなかったのですが、こうやって本という形で登場すると、新たな読者を開拓できるわけで、やはりメディアミックスは重要だなと思ったり。本は面白いですね。
2011/11/11 金
これが、この本を読み終わった時の感想でした。
![]() | 働きながら、社会を変える。――ビジネスパーソン「子どもの貧困」に挑む 慎 泰俊 英治出版 2011-11-08 by G-Tools |
今朝、うちの4歳児がおねしょをしました。ベッドのシーツはびしょ濡れ。起床予定時間前に起こされるわ、洗濯が大変だわ、お風呂に入れなきゃいけないわ、などなどおねしょはとにかく面倒。しかも、2日連続。
「あ~、もう、またかよー。なんでおねしょするの?寝る前にちゃんとおしっこしてよ。ね?分かる?」
私は心ない言葉を4歳児に投げかけます。4歳児でも、自分がおねしょをしたことに自尊心が傷ついています。そこに親が傷口に塩をすり込むようにそんな言葉を浴びせちゃいけないんです(って、毎月送られてくるベネッセの冊子に書いてありました)。でも、人間、つい、イラッとしてしまいます。
昨日はおねしょと騒ぐ4歳児の世話を完全に妻に任せっきりにしました。本当は手伝うべきです。でも、面倒な事は誰かがやってくれるといいな、と思ってしまいます。
自分って醜いですよね。
おねしょした子供に優しく接して、パンツ履き替えさせてお風呂入れて、シーツ洗っても、全然かっこよくありません。自分の自尊心が満たされることもありません。
でも、4歳児にとっては一大事。ここで親に優しく接してもらえるかどうかは彼にとっては超重要ですよね。
このおねしょの出来事は1つの例にすぎませんが、子育てってこんなことの連続ですよね。
「あ~言い過ぎた」
「このままだと下手すると虐待になっちゃうな」
と思うことはどこの親でもあるでしょう。本当に自分はこの子を虐待しちゃうんじゃないかと思ったことは私も何度もあります。そして自己嫌悪に陥ります。
この本は、著者の慎さんがLiving in Peaceという社会貢献をするNPOの活動として、児童養護施設に1週間住みこむなど、児童養護施設を通じた社会活動から見えた子供の貧困の状況を伝えてくれます。子供の虐待についても生々しく語ってくれます。と同時に、我々一般社会人が、働きながらできる社会貢献についてのヒントを与えてくれます。
日本では身の丈のヒーローというか、身の丈でのロールモデルが少ないですよね。われわれの世代でも、先々週の日経ビジネスの「次世代の100人」という特集を含め、メディアで取り上げられるのは起業家っぽい人たちばかりで、仕事そのものが次世代な人たちです。しかし、世の中の大半の人達は会社員であって、どんなに彼らが素敵な素晴らしいことをしていても、クローズアップされることはほとんどありません。
その点、今回の本は、児童施設やボランティアに関心がなくとも、働きながらできること、という観点を一般の人たちに届けるという意味で、非常に意義深いと思います。まさに働きながら社会を変える、わけです。
この本を読んでハッとしました。私が4歳児におねしょなんかすんなよ、と言ったのはややもすると虐待なのではないかと。
自分の子供の子育てがちゃんとできない人間が、社会貢献なんてできませんよね。子育ては地味でかっこよくもありません(一部のイクメンさんを除いては)。社会貢献はちょっと自尊心もくすぐられます。でも、やっぱり、まずは子育てだな、と今回強く思いました。
それは、慎さんが本の中で、社会貢献の前にまず仕事をキチンとしましょう、と書いてあることと同じだと思います。仕事をきちんとできない人間に社会貢献はできない、と。なるほど、そのとおりだな、と思いました。
今や共働き世帯が過半数を占めるニッポン。ニッポンのママパパは子供を叱りつけては日々自己嫌悪と葛藤しながら働いています。育児は親として当然の責務ですが、この本を読むと社会貢献でもあるんだ、ということを認識できます。
でも、育児を言い訳にして仕事と育児だけの生活にはなりたくないですよね。仕事も育児もちゃんとやって、その上で少しだけ何か他のことをやる、そうなれるといいですよね。慎さん献本ありがとうございました。
本の印税は全て寄付に回すそうです。英治出版からご出版されていますが、通常本を書いた時、著者に入る印税は10%ですが、英治出版の場合は逆で出版社が10%(この数字はうろ覚えですが)を取って、残りを著者が取るという仕組みだったと思います。寄付金を最大化するという目的のために、最適な出版社を選ばれたんだと思います。
2011/11/11 金
![]() | 幸福の商社、不幸のデパート ~僕が3億円の借金地獄で見た景色~ 水野 俊哉 大和書房 2011-10-28 by G-Tools |
「保田さん、桁が違いますよ」
著者の水野さんとはもう6年ぐらいの付き合いになりますが、まさに氏が3億円の借金に苦しんでいた頃にも何度かお会いしました。
「とうとうダメになっちゃったんです。借金だらけですよ」
と聞かされたときに、私がどの程度の借金なのか聞いたときに桁が違うと言われて、私は絶句したのでした。浅はかな質問しちゃったな、と猛省。。。
そして、本にも登場しますが、
「家に帰ると家の前の電信柱が借金を取り立てに来た人に見えるんです。怖くてそこから動けなくなって・・・」
とおっしゃっていました。それでも会っている時は気丈に明るく振る舞うんですよね。
少しすると、やっぱり作家として成功したいと言って、当時はまだ1冊も本を書いたことがなかった頃ですが、毎日毎日本を読みまくってあの1冊目の本を出版されます。
「毎日仙人みたいな生活をしていますよ。ひたすら本を読むんです」
とおっしゃっていたのを覚えています。
![]() | 成功本50冊「勝ち抜け」案内 How to Improve Your Reading Skills for Success in Life (光文社ペーパーバックスBusiness) 水野 俊哉 光文社 2008-01-24 by G-Tools |
そこからもう10冊以上をたてつづけに出版されています。
水野さんが借金に苦しんでいた頃、本にも触れられていますが、会う時はいつも池袋でした。一緒に食べたランチはやはり中華でした。
書評などはアマゾンのレビューにお任せするとして、水野さんの人生に一区切りがついたことを祝福したいです。もちろん、お金を貸した側にしてみるとたまったものではないと思います。しかし、起業して借金を背負った人間が再生をするという事例は、わが国にもっともっと必要だと思います。
2011/03/09 水
財務3表の分かりやすい解説に関しては、この方の右に出る方はいらっしゃならい國貞克則氏。その新刊を献本いただき、早速読了。
ストーリーでわかる財務3表超入門―お金の流れで会計の仕組みが見えてくる
財務3表のつながりや仕組みを理解するのであれば、これまでに國貞氏が書かれているさまざまな本を読むことで足りますが、例えば、これや
決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)
これあたり。
今回の本では起業時から話が始まるので、そもそも会社ってどういう構造?というあたりから分かるようになっています。会計の話のみならず、株式の所有権など、経営者視点で物事をつかめるようになっています。
財務諸表を理解しようとするとき、すでに動いてしまっているもので理解するのはやや大変ですが、最初の設立から順追っていくと結構分かりやすいので、本書はそのあたりを狙ったんだと思います。
僭越ながら、私の最初の著書「株式市場とM&A」も同様にカフェオープンからストーリーを展開させて、上場やM&Aを理解していただこうという狙いだったので、非常に親近感が沸き、國貞さんも設立から解説した方が分かりやすいと思ってるんだということを認識できて、なんだか嬉しかったです。
やっぱり設立から解説・理解するのが早いですよね。ということで、4月からのMBAのコーポレートファイナンスの授業でも、やはり設立から解説しようと思ったのでした。
2011/01/03 月
副題は、たった2つの質問だけ!「タテの質問」で掘り下げ、「ヨコの質問」で全体像をあぶり出す、とのことで、なんのこっちゃと思っていたのですが、目からウロコでした。
献本として頂いておきながらこんなことを言うのはなんですが、本自体は薄く、トータルの文字数が少ないため、1文字あたりの料金にすると結構割高になる印象です。また、中で書かれている物語調のパート(特に出だしのモグラの話)が、物語としてはあまり面白くなく、読む気を削がれるため(著者さん、編集者さん、すいません)、これをいわゆる通常の「書籍」としてオススメするのはやや微妙なのですが、タイトル通り、問題解決方法に関しては、一発で目からウロコを与えてくれただけで価値は十ニ分だと思います。
![]() | たった2つの質問だけ! いちばんシンプルな問題解決の方法―「タテの質問」で掘り下げ、「ヨコの質問」で全体像をあぶり出す 諏訪 良武 ダイヤモンド社 2010-12-10 by G-Tools |
タテの質問とヨコの質問って何さ、と思い全くイメージできずに本を読み出したのですが、読み終わって気づくと、本の帯に書いてありました。
タテの質問:「その原因をひとつあげてください」
ヨコの質問:「その原因が解決すると、この問題はすべて解決できますか?」
タテの質問に関しては、2回、3回と同じ質問をして深堀をしていくことも多々有効とのこと。
このように書かれてもあまりピンとは来ないかもしれませんが、この本のスキルを活用して私が今抱える問題の解決方法を探してみると、
問題:研究が進まない
↓
【タテ(その原因の1つ)】:研究時間が足りない
【タテ1(その原因の1つ)】:自分で研究以外の仕事を作り出してしまう→自制することで解決可能(本質的には解決しないが、このタテ質問を続けると長くなるので、当ブログ上はここで打ち止めとする)
【タテ2(その原因の1つ)】:通勤時間が長い→クルマ通勤からバス通勤にすることで移動時間を勤務時間に変更することで解決可能
また、研究時間が足りないという、タテで出てきた原因に対して、
【ヨコ(その原因が解決すると、この問題はすべて解決できますか?)】:研究スキルがまだ低い
【タテ(その原因の1つ)】:読みこなした論文数が十分ではない
【タテ(その原因の1つ)】:読むべき論文に関しての情報交換の機会が足りていない
などなど。ホントはもっとこれをタテ、タテ、ヨコ、タテ、ヨコ、タテ、タテ、ぐらいにどんどん深堀&枝分かれしていくべきで、今回は即興で作ったので、あまりうまくはできていないのですが、本の中では枝分かれの図式でこのタテ、ヨコの使い方をいくつかの事例を元に示してくれます。これが目からウロコでした。
仕事に限らず、夫婦問題や育児など、身近な問題もこのタテ、ヨコで結構分解できて対応できると思います。ただ、いくら解決策を見つけても、最後はそれをやるかやらないか、本人の意識次第ではあるのですがね。
本って、結局は文字数や厚さではなく、いかに読者がtake awayできるものをシンプルに落としこむかが重要だと思いますが、その意味で、この本は秀逸だと思います。登場するモグラの必要性を感じないとか、会話調のところがどうの、というのは好みの面が大きいでしょうしね(しつこい・・・?)。
ってことで、タテ、ヨコ、なるほどでした。最終章ではファシリテーション術も書かれていますが、たしかにファシリテートする際にも使える術ですね。
2011/01/03 月
経済は「人口の波」で動く、という副題のとおり、日本の経済成長や景気を語る上では人口構成の変化は見逃せない、という本です。
![]() | デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21) 藻谷 浩介 角川書店(角川グループパブリッシング) 2010-06-10 by G-Tools |
確か、週刊ダイヤモンドで2010年の経済書ナンバーワンになっていたので、出張時の空き時間に書店でさくっと購入したものでした。
もともと新書ですので、たいした値段はしませんが、目次をじっと見て、あとがきを読むと、本書の言いたいことは大まかに分かります。ので、2010年の経済書ナンバーワンの内容を5分でを知ってしまいたいという人は、そういう活用法もあるかもしれません。ちなみに、あとがきの冒頭だけ抜粋すると、
「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」。この本の要旨を一言でいえばそういうことになりましょう。
です。
いわゆる通説を客観的なデータを用いて打破して行ってくれます。地域格差論の無意味、失われた10年のウソ、経済成長こそ解決策という主張が対策したフリを招く、など、と思わず「え?」を聞き返してくなる内容がたくさん盛り込まれています。
ほとんど全て人口構成、特に労働人口数の変化で説明がつく、あるいは、それが影響しているという流れになりますが、逆に労働人口数を見ずして、経済成長やらを議論しても意味がなく、多くのマクロ経済学者や経済評論家はその点を認識していないという批判に軸足を置いています。
(講演の書き下ろしが土台となっている本で、口調がそのままになっています。講演でインパクトを持たせるためには、通説を言う経済学者や経済評論家を小バカにする必要もあるのでしょうが、他の人を小バカにした口調がそのまま活字になるというのは、やや違和感を感じざるを得ないというか、読後感が無駄に低減してしまうので、その点だけはこの本のやや残念なところでした)
なるほどね~、と思うと同時に、本当に経済学者は人口構成の変化という明らかに当たり前のことを認識せずに議論をしているのだろうか、という疑問も湧いてきます。ただ、本書で指摘しているように、人口減少を前提として経済成長が議論されたことはこれまでほとんどないので、既存の経済理論の当たり前の知識で今の、そして今後の日本の経済成長や景気を語ろうと思った場合は、労働人口が減少するという現実を今一度認識する必要はあるのでしょうね。
日本の人口減少という問題は避けられないので、では、そういう状況においてどういう打開策、解決策があるのさ、という点に興味は移りますが、それにも本では触れています。高齢富裕層から若者への所得移転、女性労働力の活用、観光収入の向上の3点が具体策として挙げられています。
なるほど~、な一方で、それだけ?、という印象もやや拭えないところではあります。ただ、本書の真髄は通説を覆す視点をくれた点であり、あとは、この労働人口の減少という現実を前提として、企業レベルや政策レベルで一生懸命解決策を絞りましょうね、ということになるのだと思います。
観光収入の増加に国が取り組むならば、北海道の先行きは明るい、とも言えますね、きっと。
2010/12/31 金
プロのデザイナーがちょっと手を加えてくれるので、カッコいい仕上がりになります。ほら。
モデルが茶坊主、カメラマンの腕が素人なので、写真だと伝わりにくいかもしれませんが、カッコイイTシャツに仕上がっていて、子供はめちゃ喜びました。もともとの絵はこんなのです。
今回利用させていただいたのは、ChuChu(チュチュ)さん。お絵かきをスキャンしてそのままTシャツにしてくれるサービスは、安価なものも含めて結構ありますが、やはりそのままだとなかなかデザイン的に厳しかったりしますが、それっぽくデザイナーさんが手を加えてくれると子供も自分は絵がうまいんだと勘違いしてくれるし、一石二鳥です。
写真では分かりにくいですが、袖にも絵がついていて、また、バックプリントまであります。今回、うちは名前を入れてもらいましたが、アルファベットだと3歳児が読めないので、ひらがなにすればよかったかな、とも思いましたが、ひらがなだとちょっとデザイン的にねえ。やはりアルファベットでしょう。
届いた時はこんな感じで届きます。お花みたいに透明フィルムでラッピングされてくるので、まさにプレゼントという感じ。ちょうどクリスマスイブに届いたので、説明しなくとも子供にとってはプレゼントだということが分かります。
もっとも、絵を送る時に、「くーちゃん、この絵をTシャツにしてもらうからね」と言ってあったので、三歳児にしてみると、やっと来たか、という感じだったかもしれませんが。原画も返却されるので、絵をキープしたいという人にとってもいいと思います。
しかし、子供が幼稚園で毎日大量の絵を書いてもって帰ってきますが、そのやり場に困っている方も多いと思います。捨てると子供は怒るし、こちらも少し罪悪感。最近、うちでは自宅用にもスキャナを購入して、子供の絵はビャーっとそれでスキャンしてしまって保存しておこうと思っているところですが、これは、という絵はこうやってTシャツで形に残すというのはアリですよね。
ChuChuを始めた人たちが、もともと仕事でお世話になっていた人たちだったので、このサービスを知ることになりましたが、プレゼントはおもちゃやお菓子を買い与えるばかりでしたが、もうすぐ4歳ということで、いろんなことも理解できるようになってきたので、こういうものもトライして、子供を少しずつ引き上げるのもいいですよね。
2010/12/31 金
否定されても自分の思う道に前進し続ける、すると、道がなくてもいつの間にか道ができていて、それは太い道になるんだな、この本を読んでそんなことを思いました。
| 絶対ブレない「軸」のつくり方 | |
![]() | 南 壮一郎 ダイヤモンド社 2010-12-10 売り上げランキング : 86 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
友人の南氏の初めての著書。友人、かつ、献本してもらったモノということで、ひいき目にレビューをしないようにするのが難しいのですが、広く勧めたい本!です。
「協力して下さい」と言える力が南氏の一番スゴイところだなあ、と前から思っていて、そんなくだりも本の中で紹介されていました。Ask&Thanks。相談に乗ってくださいとお願いした人には、その後の結果報告も定期的にしようね、と書いてあり、「ああ、自分にはこのあたりが足りていないなあ」と認識。
ズバッと、「協力してください」、「相談に乗ってください」、って言える人って少ないと思うんですよね。協力してくださいってのは、特に言いにくい。なんか恥ずかしいし、断られると凹むし、それに借りを作ってしまうようで。私は自分が起業したときは、この協力してください、の一言がなかなか言えず苦労しました。今でもここが弱いです。
彼が楽天野球団を辞めてビズリーチを立ち上げるにいたるまで、何度か相談に乗ったことがありますが(相談と言ってもランチを一緒して世間話をしたぐらいですが)、その後定期的に経緯を報告くれて、お礼を言われ、また助けてね、なんて言われると、もっと何か協力しようと思ってしまいます。
「そっか、協力を依頼したり、相談に乗ってもらうってこういうふうにやればいいんだ」、と彼を通じて知るようになりました。
実は、私はアカデミックの世界に転身する前に、キャリアについて悩んだことがあります。アカデミック方面に転身したいという自分の願望にはなんとなく気づいていましたが、それは狭き門なので30代半ばでそれを直視することができないでいました。
また、キャリアを自分の力で切り開いていくように見られたいというような、今となってはどうでもよい願望を持っていたこともあり、なかなか誰にも相談できなかったのですが、このときは南氏とこの本の中にも登場する岩瀬氏に相談しました。
その時、南氏は「今日の保田ちゃん、去年のオレみたいだね」と笑いながら言いました。そういえば、その1年前、南氏のキャリアの相談に乗ったことがありました。その時は私は自分の行きたい方向性は明確で「まあ、なんとでもなんじゃん」みたいな軽いノリで話していて、次は完全に立場が逆で、彼は起業の方向性が明確になり、私は不安定になり。
以前の私なら、相談することはカッコ悪いみたいに思ってしまい、相談できなかったところが、その1年前に南氏から相談をされたことで、今度は私が相談をしやすくなったという状況でした。「助けて」と言う、これが私が南氏から学んだ一番のことです。
ただ、おそらくこの本のクライマックス、かつ、読者の心をつかむのは、南氏がスポーツビジネスに転身するにあたり、とにかく考えうる全ての可能性をトライしたという部分です。実はこの本を読むまで、私も彼がこんなに一生懸命行動したことは知りませんでした。いつもひょうひょうと何でもこなしてしまうように見えていたので。
その辺は書きだすと本の楽しみがなくなってしまうので、置いておきますが、ただ、1つ印象的なことは、周囲から絶対に無理、ダメと言われたものも、自分が正しいと思うならば突き進まないと後悔する、ということだと思います。そして、上では頼る力は重要と書きましたが、自分で考えて動いてからではないと頼ってはいけない、ということもよく分かります。
私自身も2004年にソーシャル・ネットワーキング・サービスで起業したときは、当時はSNSの認知度が低かったため理解されないばかりか、出会い系ビジネスを始めるらしいと誤解され、友達(特に女性)の一部は疎遠になったりしましたが、でも、やっぱりやっておかなかったら後悔したいただろうし、あの時の経験がその後の人生に繋がっているわけで。
その意味、タイトルである『絶対ブレない「軸」』というのは本当に大切だな、と大いに共感するわけです。南氏とは外資系金融→起業という経歴が似ているので、共感するのかもしれませんが、でも、「否定されるのは怖いし嫌だけど、失うものはないんだから行動してみようよ」、という南氏のメッセージは多くの人の共感を生むんじゃないかなと思います。
最近は上智大学や慶応大学で学生向けに講演をして好評を博しているそうなので、一度北海道にも来てもらわないと、ですね。
2010/12/25 土
この本、絶対にmust readです。「オレは一体、日々何やってんだろ、もっとちゃんと頑張らなきゃ」、って思わせてくれます。ダイヤモンドの和田さんから献本で頂いた本でしたが、これは自腹で10冊買ってでもバラ撒きたいと思いました。
本からは、日々自分がどんだけ自分に言い訳をして生きているか、いかに意思が弱いか、そして目標があやふやかを改めて認識させられました。夢中になって1時間半ほどで読んでしまいました。
![]() | ゆっくりあきらめずに夢をかなえる方法 桧野 真奈美 ダイヤモンド社 2010-12-10 by G-Tools |
個人的には自己啓発方面の本があまり好きではないので、この本のタイトルを見ただけでは普段は手にしない本です。読み終わった感想としては、タイトルで損しているんじゃないかな、という印象を持ちました。「雑草魂」とかそんなタイトルこそが似合いそうな中身です。
本の装丁もピンクで著者(女性)の写真が前面に出ているので、リアル店舗で男性がレジに持っていくのはやや気が引けそうです。でも、ビジネスパーソンこそ、これ、読むべきな気がします。
バンクーバー五輪で女子ボブスレーの代表選手だった桧野さんの本です。
20歳でボブスレーの世界に身を投じた「普通の女子」のお話であり、また、劣悪な環境でもがき続け、なんとか這い上がる過程を描いているため、「この人は特別な才能があったから」とか「運が良かったから」という言い訳を読者にさせません。
読むと、「この人の頑張りに比べて、今の自分はなんと日々言い訳の多い人生を過ごしているんだろう」、と思わずにはいられません。スポンサー集めのために100社自分で回ったお話や、マネージャー不在ゆえに遠征の飛行機チケット手配からすべて自分でやり、もちろんエコノミークラス。コーチ不在、機材は時代遅れと、「これでもか」というぐらいにハンディだらけ(笑)。
また、有名な人や成功者の本は半ば自伝であり、時には鼻につくご自慢もふんだんに盛り込まれているものです。しかし、この本は著者自身がまえがきに書いているように「自分の半生記を書いたとは思っていません。私はえらい人ではないし、第一、自伝を書くほどの年齢でもありません」とのこと。実際、この手の本には付き物のイヤラシさやご自慢は皆無。よくここまで皆無にできたなと思うほどに皆無。
それゆえに、本の中では、桧野さんの挫折と気持ちの弱さ、でも、最後にはそれらに打ち克つ強さと行動力が際立ちます。そして、皆さんもできるはずでしょ、というメッセージがこもっているように思うのです。
しかし、こういう方のお話が1,500円で読めるなんて、やっぱり本ってすごい安いですよね。
2010/12/22 水
Air Doの機内ドリンクサービスには、無料ドリンクのメニューの1つとしてオニオンスープがありますが、これが大人気です。
ドリンク提供時間になると機内はオニオンスープの香りで充満。ANAでは機内での無料ドリンクサービスはお茶だけになりつつあることを考えると、このエア・ドゥのオニオンスープはさらにありがたみが増します(ちなみに、エア・ドゥではりんごジュースも無料)。
最初エア・ドゥに乗ったときは、なんでオニオンスープなんだろう、と思っていたのですが、夏に道内をクルマで移動していたときに一面に広がる玉ねぎ畑を見て納得しました。北海道は玉ねぎの大産地なんですね。
で、先日、本学の江頭先生から「おにおんスパイス」なるものを頂きました。

焼き肉調味料と書いてあります。そこで早速妻と息子の3人で、焼き肉パーティを開催。ヨーカ堂で、牛肉、豚肉、羊肉の盛り合わせ600グラムが980円で売っていたので、それを購入。豪州産と書いてありましたが、北海道はなぜかやっぱり肉が安いです。そしてウマい。
これで980円はすごいでしょ。
で、ホットプレートでじゅうじゅう焼き、このおにおんスパイスを振りかけていただきます。これがウマいわけです。コツはケチらずドバっとおにおんスパイスをふりかけることですね。
チャーハン、スープなど、何にでも使えると書いてありますが、私のお気に入りはスープとポテトチップスです。ポテトチップスにこのおにおんスパイスを振りかけて、ビールのつまみにする、これが最高です^^
もともとは、玉ねぎの使い道を増やすために考えられた商品みたいですが、普通においしいです。
北見で作られているとのことで、北見ってどこだろうと思って調べてみると、なるほど北海道の上のほうで、ちょっと右ですね。
あと、玉ねぎ畑を見たことのない方!(私も今夏に初めて見ましたが)、こんなふうに玉ねぎは畑で取れるんですよ。なんでも、先日の本学のMBAの授業で社会人学生から聞いた話では、玉ねぎが日本に入ってきてからまだ150年ほどしか経っていないそうです。まだまだ玉ねぎには我々の知らないことがたくさんありますね。
2010/12/20 月
やっぱり、日本企業ってスゴイんじゃないかと思ったのでした。
![]() | 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか トニー・シェイ 本荘 修二 監訳/豊田 早苗 訳/本荘 修二 訳 ダイヤモンド社 2010-12-03 by G-Tools |
週刊ダイヤモンドで、本の一部分がサンプルで入っていて、これは面白そうな本だと思っていたら、ちょうどダイヤモンドさんから献本を頂いて、楽しく読みました。
登場するザッポスというのはネット靴店。創業して数年でアマゾンに1,000億円以上で売却したという成功物語。このネット靴店が顧客満足度がとにかく高い。顧客に「ワオ!」を届けることを重視し、自社に取り扱いのない製品でも電話のオペレーターが他社製品をネットで調べて教えてくれるとか、最長6時間顧客対応電話に費やしたとか、いくつかのエピソードが出てきます。
顧客満足度を上げたいと思っているビジネスパーソンにとっては、その辺の具体例はある程度参考になるとは思います。でも、ザッポスCEOが本当に言いたいのは、その小手先の顧客満足度向上術ではなくて、社員が外にも自慢できる企業文化をいかに構築するか、という点でしょう。本の後半では、実際にこの企業において、どのような企業文化を作り上げているかの事例が出てきます。
基本的には、顧客に感動を提供することを第一に考えるザッポスCEOの世界観がそのまま企業文化になっています。私がこの本から受け取った最大のメッセージは企業文化は大切、です。そして、思ったのは、かつて企業文化を非常に重視していた日本型経営というのは、やはりスゴイんじゃないかということでした。
日本型経営のいろんなマイナス側面が存在したがゆえに、停滞感を招き硬直状態に陥ったという事実はあったとしても、企業文化を作り、それを根付かせるための、直接的には収益と関係のない様々な社内での行い(社是や社訓の作成から、運動会や社内旅行の実施など)は、やはり評価されるべきなんだな、と思います。
本書のタイトルは「ザッポス伝説」となっていますが、この社歴10年ほどの企業が「伝説」なのであれば、ソニーやホンダなど、超伝説な企業は日本に山ほどあり、それらのこれまでの成り立ちなどを研究するだけでも得られるものがふんだんにあるんじゃないかと、今更ながら気付かされました。
もっとも、英書の原題はDelivering Happinessであり、伝説なんて仰々しいタイトルにはなっていませんが、伝説という邦題にしていただいたお陰で、そういう点に気づかされました。日本的経営、日本企業の文化に関しての書物に、久しぶりにあたってみようと思いました。
2010/12/06 月
副題は、速読しないで1冊読める!
本は早く読めるに越したことがないものの、速読ってどうも腑に落ちないというか、インチキっぽい印象を持っていたわたくし。速読=読み飛ばし=いい加減に読む、というような構図が頭の中にあって。
とくに、自分が本を書くようになってからは、自分の本が読み飛ばされたのじゃたまんない、なんて思うと、速読なんてのは著者に失礼じゃないか、と思うようにさえなっていました。でも、日々いろんな本が出てくるにあたり、やはり早く読めるようになりたいなあ、とは思うわけで。
そんな折、ダイヤモンド社さんを訪問した時に編集者の和田さんからもらったのがこの本。「速読しないで読める」という副題が私をつかみました。
![]() | 10分間リーディング 鹿田 尚樹 ダイヤモンド社 2010-10-29 by G-Tools |
この本は腑に落ちました。中には著者のスキルやノウハウもたくさん入っていますが、それよりも、この本の背景にある考え方が何よりよかったです。
私がこの本から得たエッセンスは、本を読むにあたっては、目的を決めて、ReadではなくSearchで読むといい、ということでした。なるほど、確かに私もこの本を読むにあたっては、著者がどんな書見台を使っているとか、i phoneなのかi padなのかというようなスキルよりも、「速読しないで10分間で何ができるんだ」、に対しての一発回答がほしかったわけです。
それに対しては、readではなく、searchで、この一言でほぼ十分でした。なるほど、我々は日々「隅から隅まで丁寧に本を読まないといけない」という強迫観念めいたものにとらわれているんだ、ということに気づかされました。自分が知りたいことを得るためには、確かにsearchで十分だな、と。
また、自分が書いた本についても、全く読まれないよりは、searchでいいので、めくってもらえるほうが何百倍もマシだよな、と思ったり。私が書いた本を読んだ人から、「ごめんなさい、図書館で借りて読んだんです」と、買わなかったことを謝ってくれることがありますが、著者としては当然印税も重要ですが、それよりも一人でも多くの人に読んでもらえることこそ最大の喜びですしね。収入目的なら、本を書くなんて膨大な労力がかかることよりも、もっとほかのことで稼ぐでしょうし。
話はそれましたが、その他、この本からは、他にこういう本を読んでおけばいいんだ、というtipsや、ブログを書くときはハンバーガー構造でなんてのを教えてもらったあたりなど、10分間リーディング以外にも得るものもあって、なかなか楽しかったです。そして、本の中でおススメされていた本を次々と購入。前から読もうと思っていた本や、あ、こんな本あるんだ、など。
ちなみに、この本を読んだのは新千歳空港から新札幌駅まで、約25分程度でした。10分とはいきませんでしたが。
著者の鹿田さんとは数年前に何度かお会いしたことがあります。確か、私の本の書評もブログで書いていただいたことがあったなあ、なんて思いながら、検索してみると出てきました。
【キャリアメイク】『デキる人は皆やっている一流のキャリアメイク術』@保田隆明
「自分史を作ってみる」:今日のことば
巻末の著者紹介を感慨深く眺めさせていただきました。私も頑張ろうっと。
2010/12/06 月
大学3年生におススメの本です。
![]() | 大学ノムコウ (自分と仕事を考えるヒント) 小樽商科大学キャリア教育開発チーム 日本経済評論社 2008-05 by G-Tools |
本学のキャリア教育開発チームで出版した本なので、立場上やや手前味噌になってしまいますが、そういう立場を抜きにしてもいい本だなあ、と思います。
想定読者は大学1年生、あるいは2年生であり、実際本学では1年生を対象とした総合科目でこの本は参考図書として使われているそうです。しかし、これは3年生にこそもってこいな本ではないかと思います。
端的には自分探しをするための本なのですが、1年生、あるいは2年生までは自分探しをする必要性はあまりないでしょう。おそらくこの本を読んで「いい本に出会えた」と思う学生も、さほど多くないように思います。まだ1年生や2年生では響かないのではないかと推察します。が、3年生は就職活動や卒業後を見据えて、将来のために今をどう生きるかという視点が育ってきますので、ちょうどいいタイミングだと思います。
本にはたくさんの大学生が登場人物として登場します。彼らの心の葛藤や悩み、あるいはアクティブな行動をもとに、大学生の生活や考え方を分析していきます。分析というと仰々しいですが、そこにはごく普通に存在する大学生が登場しており、今の自分、あるいは、昔の自分をそこに投影して客観視することができます。
はじめに、でも書かれていますが、「普通の大学」でのお話です。本学はおそらく地方のどこにでもある普通の大学としてはいいロールモデルだと思います。もちろん、偏差値がそこそこあって、就職率が安定して非常に高いなど、一つ一つ挙げていけば普通の大学ではない、あるいは、普通の大学って何さ、という議論が巻き起こりかねませんが、旧帝大でもなければ、有名私大でもない地方の国立大学です。
よくある大学生向けの本は、多くは成功した大学生の物語(多くは就活関連)であり、旧帝大や有名私大の学生が登場することが多いです。しかし、学生の日々抱えているなんともない悩みや考えが等身大で映し出されている本ってあまりないように思います。
日々、研究室に将来の進路について相談にやってくる3年生と対峙していると、こういう身近な悩みを投影している書籍は非常に貴重だな、と思いました。ということで、さっそく研究室に来る3年生などに、片っぱしから最近ススメている本です。
2010/11/19 金
11月23日(祝) 「どさんこサミット Talk to Action」のご案内
どさんこサミットでは、10月9日10日に洞爺湖で合宿を開催し、農業、IT、市街地活性化、観光、人材育成の各分科会で様々なアイデアが出ました。
11月23日には、それらアイデアなどを専門家にぶつけて、様々ご指導いただくイベントを開催予定です。どなたでも参加できますので、興味あるかたはぜひご参加を。詳細はこちら
2010/09/29 水
また変なの立ち上げちゃいました。どうして北海道に移ってもこういう活動をやってしまうのか、自分でも病気じゃないかと思うのですが・・・。でも、やりたい!
【どさんこサミットのご案内】
■日時:10月9日、10日(3連休の最初の2日間の土日)
■場所:ネイパル洞爺
■出発:10月9日7時@JR札幌駅から2台の貸切バスに分乗(遅れての参加も可)
■料金:学生6,000円、社会人8,000円(宿泊、食事、懇親会、移動など全部込み)
■参加予定者:札幌・小樽近郊の学生&社会人計60名予定(学生2:社会人1のイメージ)
■内容:
「北海道を日本の最前線に」をテーマに札幌・小樽圏の学生&社会人で合宿。アウトドアリクリエーションによるチームワークビルディング、屋内ワークショップによる北海道の現状理解&最前線化プランの策定、夜懇親会の3つが主な内容
発起人はわたくし、です。
イメージとしては、ダボス会議の北海道版です。ダボス会議は、今、最も旬なビジネス界の人たちが集い、お互いに旬なビジネスの話題を紹介し、かつ議論し、最後に皆さんが何らかのtake
awayを持って帰ります。それぞれが持って帰ったtake awayが、それぞれの現場でアクションプランに結びついていく。
実際には参加者の半分以上が学生ですので、ダボス会議とはいかないでしょうが、イメージは大事なので。なお、学生を多く含める理由は、非現実的なアイデアが出てくることを期待。そこからの創発、触発により、前向きなパワー溢れる議論が展開できないかな、と。また、社会人の方が多いと学生は萎縮して良さが全く出ないので。
開催を思い立ったキッカケは、保田が本年4月に小樽商科大学MBAに赴任して、「北海道の潜在力ってスゲー」って思ったことです。このスゲーを単なる印象から、アクションに繋げたいです。第一印象ってすごい大事で、おそらく数年経つとこの印象をキープし続けることはできないと思います。ので、今年のうちに。
できれば、合宿後に合宿参加者全員で最前線化プランの実行をしたいと思います。ただ、もしそれらができなくとも、合宿で得た触発を各自が自分の場所に持って帰ることで様々なアクションが生まれてくれれば、と思っています。
以下は個人的なことですが、世の中、あるいは自分の人生は5年に1度ぐらいで大きな変革を迎えると思っていますが、今はまさに世の中がグワンと動きそうな感覚を持っています。今まで不思議とその感覚は当たってきました。私が外資系証券会社に入社したのは1998年で、当時は外資系証券会社の存在そのものを知っている人はいませんでした。外資に行くと言うと周りはほとんど賛成しませんでした。
また、起業してソーシャルネットワーキングを設立したのは2004年ですが、当時はSNSを知っている人はほとんどおらず、いくら説明しても出会い系サイトにしか思ってもらえませんでした。ので、当然周りで賛同者はいませんでした。しかし、共にその後、世の中を動かす存在となりました。
そして、今2010年ですが、また何か波が来そうな感覚があります。その波にうまく自分の取り組みを乗せることができると面白いことになるな、と。今見えているのはツイッターの盛り上がりですが、「地方」、そして次世代(すなわち今の大学生の世代)で何かグワンと来そうな気がします。
今回地方に赴任するにあたり、東京の人たちはみな「なんでほっかいどー???」でした。でも、今こそ地方なんですよね。
北海道は日本が今後直面する課題に真っ先に直面している場所です。少子高齢化、人口減少、産業の空洞化などなど。日本という国単位で考えた場合は東京があるので、問題の先送りができますが、北海道はそうはいかない。今真剣に課題解決に取り組むか、あるいは、日本や東京におこぼれ頂戴で生きて行くかの分岐路に立っています。
日本も東京も20年、30年経つと必ず同じ問題に直面し、しかも、その問題の難しさは何倍にもなっているはずです。もし、北海道で、今直面している問題を解決することができれば、それは一挙に日本の最前線に躍り出ます。北海道以外の地方では難しいところも多いかと思いますが、北海道は潜在性が高いことと、一つの地方として完全に独立しうるので、問題を解決しうると思います。
どさんこサミットはそんな問題意識のもと、何らかの糸口を参加者の皆さんにtake
awayとして、持って帰っていただきたい、と思っています。単発の打ち上げ花火になる可能性も正直高いと思っています。しかし、それはそれでいいかな、と。やらないよりは絶対にやったほうがいい、ただ、それだけを思い今回企画してみました。
参加申し込み等、詳細はこちらで。
http://www5.hp-ez.com/hp/dosummit/page7
2010/09/21 火
ハーバードビジネススクールのマーケティング担当の人気教授の初めての著書を、ダイヤモンド社より献本をいただきました。
| ビジネスで一番、大切なこと 消費者のこころを学ぶ授業 | |
![]() | ヤンミ・ムン 北川 知子 おすすめ平均 ![]() 実務家が書いてないマーケティングの本は、どうしてもこうなっちゃうのか? 絶品!様々な矛盾に気付かせてくれます。翻訳も秀逸。 初の著書ということなので、次作以降に期待 今日の商品差別化は、群れ化を促しているのではないかAmazonで詳しく見る by G-Tools |
早くからいただいていたのに、すっかりブログでの書評が遅くなってしまい、そんなうちにすでにそこかしこでレビューが書かれているので、今更あまり必要ないかもしれませんが、簡単な感想を。
端的には、他社と比較する競争はやめよう、ということになります。これは企業のマーケティング戦略、競争戦略のみならず、他社と他者にすれば、人の生き方そのものにも当てはまります。マーケティングの本というよりは、キャリアに関する本のような気がしました。
ハーバードの教授の本ということで、なんらかマーケティングの授業の講義内容みたいなものも含まれているのかと思いましたが、そういうものは含まれておらず、著者作成のケーススタディなどをみたい場合は、ハーバードのウェブサイトに行ってくださいとのことです。
他社または他者と差別化しようとすれば、自ずと他社のことを研究することになります。その上で差別化しようとすれば、むしろ類似してしまうという差別化の罠。お気に入りの女の子がいて、ライバルと奪い合いをしている局面で、「あいつはバラを贈ったなら、オレはユリの花を贈ろう」みたいになっちゃうってことですね。
ガラケーと揶揄される日本の高機能携帯電話や、ボタンがたくさんあるテレビのリモコン等、みな同じような傾向にあるので、「あるよね、あるよね」とうなずきながら読めます。
ただ、それ以上に得るものが何かに関しては、少しだけ弱い印象があります。差別化の罠にハマらないための、いくつかのマーケティング手法について書いていますが、それらも広まっていくと同じく差別化の罠にはまっていってしまうでしょうし。最終的には、常にイタチごっこになるのでしょうが、全く軸の違うところでの差別化、本質的な差別化をしよう、というメッセージですね。
個人的には自分のキャリア観がまさにこの本のとおりだったので、親近感倍増でした。
![バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 スタンダード・エディション [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51BWHYWiG5L._SL160_.jpg)


















実務家が書いてないマーケティングの本は、どうしてもこうなっちゃうのか?
絶品!様々な矛盾に気付かせてくれます。翻訳も秀逸。












